従業員が上司の命令を聞かない?それってありですか。

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みなさん~こんにちわともゆりです。

 

今回は従業員が上司の命令を聞かないのはアリですかについて検証してみよう思います。現代病ともいえる上司を無視して、個人主張を繰り返す従業員、それに対して悪戦苦闘する上司、私も昨今の若い従業員に翻弄されている一管理職です。

 

業務命令について考えた時、業務命令ってどんなものなのか?、法律的には業務命令してもどこまで大丈夫なのか。巷で苦労の絶えない管理職に対して少し参考になれば幸いです。

業務命令とは?

 

業務命令は会社等で一般的な業務を円滑に遂行するために必要な指示、命令系統と考えて下さい。業務命令は従業員が会社と労働契約(自分の労働力を会社等に提供すること)を締結したときに、会社に業務命令権が合意の有無に関わらず付与されます。

労働契約や就業規則があれば、従業員は従う必要があります。業務命令権には言わば労務指揮権と呼ばれる、労務執行に関わる命令権と労働契約等で双方で合意されたものに関わる命令権があります。双方の合意として分りやすい例は、転勤の多い会社が前もって転勤がありますので、命令したら行ってくださいねという内容ですね。

 

業務命令権の範囲について

 

従業員は労働契約において、会社の命令を受けて労働を提供する義務を負っています。なので労働契約や就業規則で合意されているのであれば、業務命令権の範囲内となり業務指示に従う必要があります。もちろん業務上に必要なものや合理性があるものに限られますが・・

 

次項から判例を用いて業務命令に対して検証してみよう

 

業務命令権に関する判例

 

判例A

【概要】

A社が長年の赤字が続き、経営難となっていた。このため再建策を模索中に内外から職場規律の乱れが指摘されていた。その中で特にB営業所が職場規律の確立に力を入れるように指示された。

そこで、C所長が従業員に対して勤務中はワッペン、赤腕章、組合員バッチの着用を禁止した。命令に従わないものについては、業務から外すように指示を受けていた。組合員バッチは会社と対立していた組合を示すものであった。これを着用していることは、職場内において労使間の対立を連想させるため、職場規律を乱す可能性があった。従業員Dはある日、組合員バッチを付けたまま業務を行おうとした為、業務から外され、営業所内に降り積もった火山灰の除去作業に従事させられた。

 

【争点】

・火山灰の除去作業は労働契約上の義務範囲にあたるか。

・組合員バッチ着用したことで業務を外したことは妥当だったか。

・火山灰の除去作を行わせたことは懲罰的であり、業務命令権の濫用にあたるのではないか。

 

【判決】

①火山灰の除去作業はB営業所の職場環境を整備し、労務の円滑化や効率化費用であり、労働契約上の義務範囲にあたる。

②組合員バッチ着用をしたまま業務を行おうとしたことは違反行為であり、業務を外したことは業務管理上いたしかなく、不当な目的や違法とは認められない。

③作業内容や作業方法が社会通念上相当な程度を超える過酷な業務あたるとは言えず、業務命令権濫用とはいえない。

 

【ポイント】

・労働契約や就業規定がある場合は基本的には業務命令に従う義務があること。

・社会通念上の過酷な労働に就かせることは業務命令権の濫用にあたる。

・労働契約上の義務範囲から明らかに乖離した業務は違法にあたる。

 

 参考 事件番号 平成1(オ)1631

判例B

【概要】

A製薬会社の従業員であるAが会社から転勤命令を受けたが、家族と別居せざる得なくなり、単身赴任を強いられることから転勤は違法として訴えたもの。A製薬会社は転勤が頻繁にあり、労働契約書には必要があるときは転勤の命令を出すことができることが明記されている。また、正当な理由がないときは拒むことができないとされている。

 

【争点】

・労働契約書を結んでから15年経過しているので無効ではないか。

・転勤は業務効率化や能力開発等に結びつかず業務上の必要性が存在しない。

・転勤は本人の同意が必要という労使慣行が存在していた。

・転勤により子供を養育することが困難となり、家族生活を営む権利等を侵害されているた め、公序良俗違反ではないか。

・転勤の命令は違法ではないか。

【判決】

・労働契約には期限はない。

・会社は長年に渡り、転勤を人材育成や人的活用方法に効果があると考え、実施しており、合理性はある。

・本人の同意は必要ない

・転勤の距離が新幹線等を使えば2時間程度であり、子供の養育等が著しく困難になるとはいえない。単身赴任手当や住宅手当等が支給する等の処置を会社が講じていることを考慮すると、公序良俗違反とは言えない。

・転勤は業務上の必要性に基づいて命令されたものであり、そこから受ける経済的・社会的・精神的な不利益は転勤に伴い当然発生するべき範囲内であることで違法ではない。

【ポイント】

・労働契約や就業規則がある場合は合理性があり、従業員にも正当な理由がなければ、転勤の命令を行うことができます。子供の養育等では正当な理由にはならない。また、本人の同意も必要はない。しかし、職場変更により、過重な負担がかかる場合は配慮義務が会社には発生します。住宅手当や単身赴任手当等、会社ができるだけ従業員の負担を是正するための手段を講じことが必要です。

 参考 事件番号 平成5(ネ)4034

まとめ

 

従業員は上司の命令を聞かなければならないことが判例でもご紹介した通りです。管理職や指揮命令系統に属している方は基本的には労働契約や就業規則に書かれていることは命令できます。しかし、行き過ぎた命令や過度な労働の命令には注意しないと違法になりますのでご注意を。理想は上司と部下が話し合い、お互いが納得した形で業務遂行できることがベストですね。私も業務命令のことは理解していますが、ロボットのように命令しても誰も昨今はついてきませんから。お互いがより良い関係でいられる職場を目指しましょう。

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